2021年1月30日土曜日

新年の抱負:目標設定の心理学

 

新年あけましておめでとうございます。

2021年は、緊急事態宣言から始まり、例年とは少し様相が異なりましたが、

皆様はいかがお過ごしですか?

 

さて、突然ではありますが、

皆さん「新年の抱負」は立てましたか?

 

新年の抱負って難しいですよね。

なかなか継続できなかったり、途中で忘れてしまったり。

 

今日はそんなあなたに、

心理学的に効果的な「目標設定」として、

WOOPモデルと4つのテクニックについてご紹介します。

 

l  WOOPモデルとは

WOOPとは、Wish(欲望)Outcome(結果)Obstacle(障害)Plan(計画)の頭文字を取ったものです。

これはニューヨーク大学の心理学教授、ガブリエル・エッティンゲンが提唱されており、「Mental Contrasting with Implementation Intention: MCII」としても知られています。

(引用:WOOP  MY LIFE: https://woopmylife.org/ja/home)


    Wish:欲望

まず最初に考えることは、自分の欲望についてです。

これは大まかな方針という意味合いが強いです。

 

ここで登場するテクニックが「価値観リスト」です。

下の価値観リストには83の価値観が並んでいます。


価値観リスト83(PDF)”

(引用:resarchmap 土屋政雄 より 一部改変

https://researchmap.jp/multidatabases/multidatabase_contents/detail/230084/35e89e7c03cd600db4f2205d2ca3f5b9?frame_id=565479) 


ここから大事にしたい10個を選び、

さらに1位から10位まで優先順位を付けてみましょう。

 

同じ「減量する」という目標でも価値観が異なると、プランが変わってきます。

例えば、「美しさ」が大事な人は、食事のコントロールと適度な運動な運動を行うべきでしょう。

例えば、ボクシングで有名になりたくて「名声」が大事な人は、極端な食事制限とすごい量の運動、そして水分制限が必要になる事でしょう。

 

このように、初めに目標の前の「価値観」を明らかにしておくことで、本末転倒を防ぐことができます。

 

 

    Outcome:結果

次のステップでは、目標を具体化してみましょう。

「やせたい」だけだとボヤっとしており、目標がどの程度達成できているかが分かりませんよね。

1kgでも減らしたいのか、それとも5kg減らして体重60kg台になりたいのか。などなど

 

もちろん、これは数値でなくても構いません。

例えば、「細すぎて履けなくなってしまった昔のジーンズを履いて、颯爽と街を歩く私」など、イメージも具体的な目標の一例です。

 

具体的な目標をイメージできたら、理想の自分と今の自分の距離感(ギャップ)を直視してみましょう。(あまり落ち込まないでくださいね、ここから頑張ったらいいんです。)

これが2つ目のテクニック「メンタル・コントラスト」です。

 

イメージ図

 

    Obstacle:障害

ここまでで目標設定の大枠ができてきましたね。 

ただし、一番大事なステップはここからです!


次のステップは、

「目標にとって、何が障害になるかをイメージしておく」です。

 

またまた「体重を減らしたい」を例にすると、

「痩せたいのに、目の前におやつがあるとついつい手を伸ばしてしまう」

「夕食を食べ終わったら、満足してそのまま寝てしまう」が、

Obstacle(障害)のいい例です。笑

 

ここを想定しておくかどうかで、目標の継続度が大きく異なることでしょう。

(上記の例では、事前に家族に「お菓子はテーブルの上に置かないで」と言っておくとよいですね。)

 

また、「毎日スクワットをすると決めたが、一度途切れてしまうと、私の性格上、そのまま再開できないだろうな」というのも、大切な障害の予測の1つです。

 

ここで紹介するテクニックは、「小さな習慣」「目標を小さくする」す。


スクワットの例であれば、「一日一回だけでいいから毎日継続する」にしてみましょう。

そうすると、夜寝る直前であっても、「あ、今日の分していなかった!寝る前に一回だけしよう」と目標を継続することが出来るでしょう。

 

 

    Plan:計画

いよいよ最終ステップです。

最期に紹介するテクニックは、If (イフ)– Then(ゼン)プランニング」です。

このテクニックは心理学の中でも、最も有名な物の一つです。

 

これは、

「もし(If)~~~~だったら、その時は(Then)○○○○しよう」を

事前に決めておく ということです。

 

具体例を挙げると、

「もし(If)おやつが目に入り食べたくなったら、(Then)ぐっとこらえてナッツを食べよう」

「もし(If)友達からおやつをもらったら、(Then)1つだけ頂いて後は周りの人に配ろう」などです。

ここで、先ほどの「③Obstacle(障害)予測」が活きてきますね。

 



今日の内容はここまでにしたいと思います。

いかがでしたか?

ぜひ皆さんの目標設定に活かして頂ければと思います。


今回の担当は、リハビリテーション部 浅田優作 でした。

皆様の新年の抱負が、実を結ぶことをお祈りしています。

ではまた。


 

参考文献

1)  ハイディ・グラント・ハルバーソン(著). 林田レジリ浩文(訳):やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学. 株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン. 2017.

2)   2)   WOOPとは?(WOOP MY LIFE): https://woopmylife.org/ja/home (2021/1/30最終アクセス)

 

 

 

 

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