2019年7月28日日曜日

糖尿病 足病変のチェックポイント


糖尿病をお持ちの皆さま(またはご家族様)、
ご自身の(ご家族の)毎日点検 していますか?

ご存知ない方もいらっしゃるかと思いますが、
糖尿病の症状は、足部 足の指 から始まります!

そして、これが 気づきにくく治りにくい!

そんな 糖尿病の足病変 について、
今回は、
・どんなことが起こっているのか?
・どうすれば早期発見・予防ができるのか? 2点を
17Check ポイントと共に お話していければと思います。


では、さっそく

糖尿病の足病変には、
糖尿病性神経障害 と
末梢循環障害 の2つが大きく関与し、

さらに、①糖尿病性神経障害は、
-1 運動神経障害
-2 感覚神経障害
-3 自律神経障害3つに細分化されます。


まずは、この複雑な 糖尿病性足病変 チェックポイント
その理由1つずつ見ていきましょう。

①糖尿病性神経障害

-1 運動神経障害
 Check1 足の指の変形はありませんか?
 Check2 足の指でグー・チョキ・パーができますか?

 運動神経が障害されると、
 足の指が動かしにくいために
 足、特に足の指が変形してしまい、
 変形部位の周囲には、胼胝(たこ)外傷(靴ずれ等)ができやすくなります。

-2 感覚神経障害
 Check3 胼胝靴ずれはありませんか?(もしくは、悪化していませんか?)
 Check4 指を触られた感覚鈍くなっていませんか
 Check5 指先に痺れはありませんか?

 感覚障害が生じると、
 足を触られた感覚や痛みの感覚が鈍くなったり
 異常感覚痺れなど)が生じたりします。
 そうすると、足に外傷(靴ずれ等)や胼胝、感染が合っても
 気づきにくくなり、重症化してしまいます。

-3 自律神経障害
 Check6 足の指や踵が乾燥しすぎていませんか?

 自律神経が障害されると、
 汗をかきにくくなるため、足の指や踵が乾燥し、
 亀裂が生じたり、靴ずれや感染の好発部位なってしまいます。
 
末梢循環障害
 Check7 足先を触ってみて、つめたくありませんか?
 Check8 足の色が白すぎませんか?

 末梢の血液循環が悪くなると、
 皮膚への 栄養 が障害されるので、傷の治りが遅くなったり、
 酷い場合では、虚血性の壊死を起こす可能性もあります。


皆さん、足のcheckお疲れ様でした。
8つのcheckポイントのうち、いくつ当てはまりましたか?


続いては、足病変予防の為の習慣 Check です。

足の確認項目はお伝えしましたが、
重要な事は日頃の予防習慣です。


皆さんは、次の 予防習慣 Check ポイント のうち、いくつ当てはまりますか?

 Check 9 毎日足を清潔に保ち、指の間を含めてよく観察していますか?
 Check 10 洗った後、よく乾燥させ、保湿クリームを塗っていますか?
 Check 11 爪は真っ直ぐ切ってありますか?深爪ではありませんか?
 Check 12 室内でも、必ず靴下を履いていますか?
 Check 13 毎日清潔な靴下に取り換えていますか?
 Check 14 縫い目のない(縫い目が外にある)靴下を着用されていますか?
 Check 15 靴を履く前に、靴の中の異物(石ころ等)の有無を確認していますか?
 Check 16 クッション性が良好で、足にフィットした靴を選んでいますか?
 Check 17 定期的に受診していますか?


以上、足check 8項目(check 18)と予防の習慣check 9項目(check 917)でした。

重要なことなので繰り返しますが、
糖尿病の足病変は、気づきにくく、治りにくいです!

些細なことなので、ぜひこまめに毎日チェックしてみて下さい。

そして、気になる事やご質問があれば、
ゆうゆうの理学療法士やかかりつけ医にお気軽にご相談ください。

今回の担当は、京都出身の理学療法士 浅田優作でした!
今後も、糖尿病についてこのブログでご紹介できればと思います!
ではまた次回おたのしみに

 
参考文献
1)  齋藤 宣彦、川田 剛裕: 糖尿病足病変の成因.糖尿病43(7):531-533. 2000.
2) 金森 晃: 糖尿病足病変の予防と再発防止.糖尿病43(7)541-5442000.
3)  松尾 善美(編集): PT・OTビジュアルテキスト 内部障害理学療法学.羊土社.p263-271.2016.
4)  坂口 晃(編集): 理学療法士のための足と靴のみかた.文光堂.p55,138-143. 2013.

2019年7月9日火曜日

認知症のケア

 今回は、認知症のケアの新しい技法として注目されている「ユマニチュード」について書いていきたいと思います。
 ユマニチュードとは大きく分けて4つの柱があります。
 ①見る  ②話す ③触れる ④立つ です
①見る
認知症の方に対して相手の視線をつかみに行きます
例えば、椅子に座っている人に近づく時、立っている人に近づく時、食事の介助をする時、このような場面の時にケアを受ける方の目をしっかりと見ましょう。
②話す
 認知症の方に対して呼びかけや話しに対して反応がないからと言って話しかけない、これは「あなたは存在していません」というメッセージになってしまいます。反応がなくてもしっかりと話しかけることが大切です。
③触れる
認知症の方にとって、不快な触り方は恐怖や苦痛でしかありません。
ケアを行う方が「不快はともなうが、必要な行為である」と考えて行う触り方がケアを受ける方にとっては「攻撃的な触り方に感じてしまいます。意識して「広く、優しく、ゆっくり」触れる必要があります。
④立つ
40秒間立つことができれば、介助量を軽減することができます。日常生活の中に立つ場面が多くあり、リハビリとしての時間を取らなくても一日20分程度、立位の時間を確保する目安になります。

以上の4つを徹底させると認知症の方のケアが変わるかもしれません!!

今回は「ユマニチュード入門(イヴ・ジネスト著、医学書院出版)」という本を参考にさせていただきました。興味のある方は是非読んでみて下さい。担当はリハビリテーション部の田村でした。