2021年2月26日金曜日

薬を飲んでおけば、リハビリしなくても いいんじゃない?


 

こんにちは。

久しぶりの投稿になります。今回担当の篠崎です。

皆さんいかがお過ごしでしょうか。

 

最近、日が落ちるスピードが遅くなり、季節の変わり目を感じることが多くなりました。

気温が高くなり、過ごしやすくなりましたね。

 

さて、最近読んだ論文に、少し変わった論文が

ありましたので、紹介したいと思います。

 

薬を飲んでおけば、リハビリしなくても

いいんじゃない?

 

論文の内容

薬物療法(=薬を服薬する)のみの場合と比べて、運動療法(=リハビリ)を行うことで、死亡した人の割合を減少することができるのか。脳卒中や虚血性心疾患における、運動療法と薬物療法の死亡した人の割合に違いがあるか調査。

 

結論

脳卒中や心疾患において、運動療法(リハビリ)と薬物療法を合わせて受けた人は、薬物療法のみの人と比べて、有意に死亡した人の割合が減少した。さらに、心不全患者において、薬物療法(利尿薬)を受けた人の方が、死亡した人の割合が減少した。

 

対象

脳卒中、虚血性心疾患、心不全患者、糖尿病患者

 

この研究は、過去の論文(論文16件、339,274名のデータ)をまとめ、統合した結果を推定する、メタアナリシスという方法を行いました。

 

対象となる論文は以下の条件を満たしたものを抽出しました。
・介入に、運動療法が行われている
・ランダム化比較試験

 


画像引用)https://gtdwmse.com/systematicreview_metaanalysis/

上記の画像を見ていただくと、メタアナリシス

一番上、ランダム比較試験は二番目に記載されているものになります。

 

この論文は、エビデンスレベルが高いことを示し、科学的根拠を用いたデータということになります。

 

つまり

この論文の総括をすると、

薬を飲んでおけばいいというわけではない

ということです

 

健康的な生活をおくるためには、運動は欠かせないということですね。

 

また、運動をしなければ、関節拘縮、それに伴う痛みであったりや認知機能の低下他、様々な問題が生じてしまうと言われています。

 

私も運動はあまり好きではありませんが、こういう

根拠があるとやらなきゃと思ってしまいます。

 

みなさんも、薬ばかりにとらわれず、運動する機会を設け、健康な日常生活を送れるようにしていきましょう!!

 

注)この論文は、主観的な意訳も含まれています。

ご理解ください。

 

参考文献

Comparative effectiveness of exercise and drug interventions on mortality outcomes: metaepidemiological study. Br J Sports Med. 2015

PMID[26476429]

Spin exercise improves semantic fluency in previously sedentary older adults. J Aging Phys Act. 2015

PMID[24425525]

2021年2月15日月曜日

パルスオキシメーターについて

【パルスオキシメータとは?】

皮膚を通して動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定するための装置です。赤い光の出る装置(プローブ)を指にはさむことで測定します。
 肺から取り込まれた酸素は、赤血球に含まれるヘモグロビンと結合して全身に運ばれます。酸素飽和度(SpO2)とは、心臓から全身に運ばれる血液(動脈血)の中を流れている赤血球に含まれるヘモグロビンの何%に酸素が結合しているか、皮膚を通して(経皮的に)調べた値です。プローブにある受光部センサーが、拍動する動脈の血流を検知し、光の吸収値からSpO2を計算し表示します。

【正常値】

 一般的に9699%が標準値とされ、90%以下の場合は十分な酸素を全身の臓器に送れなくなった状態(呼吸不全)になっている可能性があるため、適切な対応が必要です。

【注意点】

測定結果に誤差を与える要因がいくつかあります。

①体動によって発光部と受光部がずれる場合

②指先の冷えなどで測定部に血流が十分にない場合

③マニキュアなどで光の透過が邪魔される場合

SpO2は一定時間、あるいは一定の脈拍毎に得られた値を平均して表示していますので、装着直後ではなく、脈拍が安定する2030秒後に数値を読んでください。

【最後に】

パルスオキシメータはJIS(日本産業規格)が適用される医療機器であり、使い方や結果の解釈には医療者の指導や助言を必要とします。パルスオキシメータの数値のみで新型コロナウイルス感染症の診断はできませんし、もともと肺に病気のある方は相談すべき数値の判断が異なります。解釈に注意すべき点もありますので、医療者の指示の下に正しく使用するようお願いします。

                       担当は生井でした

参考資料:日本呼吸器学会