初めての人は初めまして。
お久しぶりの方はお久しぶりです。
リハビリテーション部で一番食い意地の張った奴と言えばこの私、荒井でございます。
先日、緊急事態宣言が解除されましたが、新型コロナウィルスがゼロになったわけでは決してありません。これからも感染予防に気を付けていただければ皆様と皆さまの大切な方々にとって幸いとなるでしょう。
さて、感染予防についてはTVでも散々やっていますし、さらに詳しくはこのブログの中でも解説されています。
運動も、やっていないと「【やらない】から【やれない】に変わってしまう」ので、様々な運動もご紹介してきました。
お買い物お大変で、外食も難しい昨今ですが、食べることは生きる基本です。ここで基礎を見つめ直しましょう。生きるためには食べる事が大切です。血管に点滴で栄養を入れても生きてはいけますが、それで栄養がバランスよく摂れるわけではなく、腸を介して取り入れるバランスの良さには敵いません。(腸は「第二の脳」なんて呼ばれるほど脳から独立して賢く動きますし、進化の過程では脳の先輩です)
では、何を食べればいいか…ですが、大きく分けて栄養は3つあります。
糖質(炭水化物) :主たるエネルギー源。脳はブドウ糖でしか動かない。
タンパク質 :主たる人体の原料。材料なくては何もできない。
脂質(あぶら) :主たる貯蓄エネルギー …だけではなく、細胞膜の重要な原料。
細かく言えばここにビタミンやミネラル(無機質)が入りますが、それは細かいことなので今回は置いておきます。今回は3大栄養素の話なので…
さて、これらのどれを食べればいいか…ですが、どれも欠かせません。
ダイエット法に「糖質制限ダイエット」という物がありますが、あれも「制限」であって、全く摂らないわけではありません。むしろ全く摂らないと腸内細菌のバランスが崩れて逆に太ります。腸内細菌の為に、一日茶碗1杯程度(角砂糖1個程度)は必要と言われています。
血糖値の急な上昇を避けるために、先に別のもの――食物繊維の多い野菜や難消化性のもの――を食べてから、糖質の多いものを食べるというのは、有名な話です。
よく脂はカロリーが高いから…と避ける方がいますが、食べた脂が直接ヒトの脂肪として貯められるわけではありません。むしろ余った糖質を脂質に変換して貯蓄するシステムなので、同分量なら糖質のほうがよっぽど太りやすいです。
むしろ脂質は細胞の原料としてとても大切で、脂質が足りなければ肌や粘膜が荒れ、感染症に弱くなります。エネルギー源としても、活力やスタミナが落ちて運動ができなくなり、寝たきりに一歩近づいてしまいます。
タンパク質は身体の原料です。これがなくては、いくら運動したところで筋肉をつけようにも筋肉がつきません。(白飯を食べたくても、お米がなければお米を炊けないのと同じです)。
つまり、どれも必要不可欠ですが、「過ぎたるは及ばざるが如し」の諺のとおり、摂りすぎてもいけません。
こういった栄養は「●●を食べてはいけない」「●●を食べていればいい」といった事は(薬との相性や食物アレルギーなどの一部事情を除いて)なく、大切なのは「何を、いつ食べるか」が最重要となります。
例えば、筋肉をつけたい!力が欲しい!という人は、タンパク質を筋肉が欲しがるタイミングで食べてあげるといいです。具体的には「運動の後」に食べるが最適です。
逆に、血糖値を下げたい!という人は、血糖が上がってしまうタイミングで筋肉に糖質を取り込ませれば良いのです。具体的には「運動の前」に食べるが最適です。運動時の低血糖予防にもなります。
このように、人によって運動と食事の最適なタイミングが異なります。
そして、食事中も食べる順番で吸収が異なります。
食べたものは、胃の中でミルフィーユや断層のように積み重なっていて、先に食べた下層から栄養を吸収する小腸に送られていきます。そして、前述のように適切なタイミングで食べたものは、体がその栄養を欲しているので先に食べたほうが素早く体に取り込まれます。
有名なところで、「野菜を先に食べてから、糖質や脂質をとると血糖値の上昇が緩やかになる」というお話は聞いたことがあるかもしれません。
これは、糖質より先に他の物を腸に通すことで、腸にゆっくりと糖質が入るようにしているためです。
逆に、運動をして筋肉がタンパク質を求めている…筋力アップのチャンスの際は、食物繊維や糖質より、まずはタンパク質を食べるとさらに運動の効果が高まります。
さて、脂質は…これはエネルギー原としての側面が強いので、食べるタイミングよりも食べる量と質が大切です。
「植物油や魚類の油はさらさらしている(常温で液体の不飽和脂肪酸)」ので、血液がドロドロになりにくい…というお話は聞いたことがあるかもしれません。
それは確かにそうなのですが…人の体に使用される脂肪は飽和脂肪酸(常温で固形)です。身体で使用するために、一度肝臓で飽和脂肪酸に作り替えてから…という手間を挟むので、栄養が不足しがちな、食事量が減っている人は普通の肉と肉の脂を食べたほうが良い場合も多いのです。肉の脂(飽和脂肪酸)は、体力・スタミナに対し、素早い成果が出ます。
飽和脂肪酸(固体の脂)と不飽和脂肪酸(液体の脂)どちらも一長一短なので、バランスよく両方食べるのが大切です。
(要は「好き嫌いはダメよ?」という事です。皆さんもお子さんやお孫さんに昔から言って聞かせていましたよね?)
話が長くなりましたが、まとめると
A:糖質は大切なエネルギー!できれば野菜やお肉の後に食べるといいよ!
B:タンパク質は身体作りの基本!筋肉をつけるなら運動の後で!
C:体力が落ちてきているなら、脂はしっかりとろう!できるだけお肉を食べよう!(お魚や大豆だけで済まそうとする偏食は×)
D:血糖値が気になる人は、食後に運動をしよう!
E:バランスよく食べよう!
ということです。
ちなみに、20~30代の人と、60~70台の人で、一日に身体が必要とする栄養素はどの程度減るかご存じでしょうか?
じつは、減りません。
胃腸や肝臓の機能が落ちて、食欲が落ちてしまっていても、必要な栄養は変わらないのです。
「もう年だから…」などと言わず、しっかり食べるものは食べましょう!
以上、運動嫌いで大食漢な 荒井がお送りしました。
出来るだけ少ない運動で、いっぱい食べて過ごしたいので…
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